11.あの娘が泣いてる波止場

思い 出したんだとさ
逢(あ)いたくなったんだとさ
いくらすれても 女はおんな
男心にゃ わかるもんかと
沖のけむりを 見ながら
あゝ あの娘(こ)が泣いてる 波止場(はとば)

呼んで みたんだとさ
淋しくなったんだとさ
どうせカーゴの マドロスさんは
一夜(いちや)泊りの 旅の鴎(かもめ)と
遠い汽笛を しょんぼり
あゝ あの娘は聞いてる 波止場

涙 捨てたんだとさ
待つ気になったんだとさ
海の鳥でも 月夜にゃきっと
飛んでくるだろ 夢ではろばろ
それをたよりに いつまで
あゝ あの娘がたたずむ 波止場